momokotonのブログ

小さな幸せを見つける 日々の雑記

白髪の叔母 颯爽と生きる姿に 勇気をもらう

今日は 母方の叔母がうちに来る。

 

叔母のこと

叔母は もうすぐ 80代なかば・・・

 

一人暮らしで 習い事もたくさんやっていて 

山登りもライフワークとしているくらい健康である。

 

この叔母 私が小さいことには 「とてもこわいおばちゃん」だった。

 

母には 姉妹が6人いるのだが(本当は8人姉妹)

母と叔母は歳が一番近いこともあり 

小さい頃 よく叔母にいろいろなところへ連れていってもらっていた。

 

人生で一番最初に見た映画は 叔母と一緒に「南極物語」だった。

今考えると とっても小さい映画館だったけど

びっくりするほどスクリーンが大きくて 

南極で撮影されたかわからないシーンで 吐く息が白く「ハー」「ハー」と変化する様子をよく覚えている。

 

叔母は 中学の理科の教員だったので よく難しい本をくれた。

当時の私には おもちゃとか 好きなゲームの機械じゃない 難しい本をくれるおばちゃんのことが ちょっとだけ 怖かった。

なんでもはっきりと言葉にして伝える叔母は 私にとって 優しい とか 大事にしてくれる という存在ではなかった。

 

ただ、「決めたことはきちんとやる」 「質素な暮らしをする」 「文句を言わない」 でも 「言いたいことはきちんと言う」 凛とした叔母であった。

 

山登りを始めたのも この 叔母の影響だった。

エベレストに登ったり チベットに行ったり アフリカに行ったり・・・海外を飛び回る叔母のことを とても素敵だと思った。

 

もうひとつ

叔母の特徴 頭の毛が全て白い!

劇場で上の階から眺めたら すぐに 叔母がどこにいるかわかるくらい

とても美しい白髪

 

今 私が白髪を育てているのも 叔母の影響だと思う

早く 叔母のように 美しい白髪にならないかな と 白髪を大事に大事に育てている。

 

「面白い子だったじゃない・・・」

叔母は 一人暮らしで

ほぼ 外国にいるか 日本のどこかにいるかわからない

家に電話してもほとんど連絡が取れた試しがない

 

そんな叔母が なんと 携帯電話を持ち始めた

 

新しい職場に未だ慣れず

あまりにも仕事を続けていくことが難しくなって どうしようもなくなった時

 

何気なく叔母に電話をかけてみた。

「うちに一回行こうかな」

忙しいスケジュールをぬって 叔母は私に会いにきてくれた。

 

持ってきてくれるものは いつものように

外国で買ったお土産物。

「これは フィンランドで買った靴下」

「これは ○○族の 指で弾く楽器」

「これは ・・・・」

小さい頃はとっても退屈だった叔母のお土産の説明が

なんだか とても楽しく感じた。

 

そして 相変わらず 難しい本も いっぱい。

最近は kotonのためにも 難しい本を持ってきてくれるから

家には 叔母の本がとても増えてきた。

 

 

自分の近況を一通り話した。

真面目に仕事をしているのに なぜか思うようにいかないもどかしさ。

今の仕事を続けていける自信がないことなど・・・。

 

涙が止まらない私に

叔母は 「あんた とっても面白い子だったじゃない」 と言った。

 

その時 今までの感情が溢れ出し 叔母の前でワンワンと泣いた。

「面白い子」という叔母の言葉が 

「ちょっとくらいできなくても大丈夫だよ」

「どんなあなたも大好きだよ」

と言ってくれているように感じたから。

 

「ちゃんとできなきゃいけない」

「ひとから認められなければならない」

「立派に任された仕事をやり遂げなければならない」

そんな日々の重圧から解放され 心がとても軽くなった。

 

その後 ちょっと怖かった叔母は

私の一番の優しい味方になってくれている。

 

今日も 私の話を聞くためだけに 遠いところから 電車に乗ってやってきてくれる。

たぶん どこかの国のお土産か 難しい本をお土産に。

 

叔母のことがとても好きだ。

 

 

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